こんにちは。松本です。
エモーショナル・マーケティングは
論理や理屈だけでは動かないヒトを
総合的に捉えます。
マーケティングでよく言われる
「機能的価値」と「情緒的価値」。
エモーショナル・マーケティングと情緒的価値は似たようなものでしょうか?
厳密に言うと違うのです。
「機能的価値」と「情緒的価値」をわかりやすくするため
単純化してお話しすると
マグカップの機能的価値→コーヒーや紅茶を飲む
この機能だけなら、ご存知100円ショップのマグカップで十分です。
ムーミンの絵がついたマグカップ(アラビアという人気の北欧食器にあります)
3000円〜4000円します。
30倍の価格にお金を払う、これを情緒的価値といっています。
エモーショナル・マーケティングは
情緒的価値の考察も含みますが、
もっと広く深いものです。
別の言い方をすると
もうちょっと意地悪 笑。
例として、インサイト研究会でかつて発見したインサイト
“苦が喜に変わる“のことをお話しします。
東京 吉祥寺に「小ざさ」という小さな和菓子屋さんがあります。
いつも朝早くから人が並んでいることで有名です。
研究会メンバーでその秘密を探るべく、実際並んで買ってみました。
・羊羹は先着50名、一人3本まで
・8:15から番号札の配布
・列から離れてはだめ
・転売禁止
朝5時ごろから並んでいる人もいるそうです。
私たちは結局、羊羹は買えず、もなかを買って帰りました。
こちらのお店は、わざと少量作っているわけではなく
窯で手作りの粒あんを作るので
本当に1日150本が限界なのだそうです。
で、この後のワークで出たのが“苦が喜に変わる“でした。
お客様は親切にすれば良いというものでもない、
というちょっと奥の深い話です。
もちろん、お客様をぞんざいに扱って良いということでは決してないです。
それと「機能的価値」「情緒的価値」で気をつけなければならないのは
情緒的価値を何か加わえれば良い、という考えです。
人間はそんなに単純ではないのです。
《どうしても欲しい》
ことばで表現できる理由は
後付けの場合も多く
本当のところ本人でさえ
よくわからない場合もあります。
単純ではない…
だからこそ取り組み甲斐があります。