こんにちは。
松本です。
今年のインサイト研究会は「エモーショナル・コネクションwith カスタマーズ」でした。
来年も“エモーショナル・マーケティング“は、もちろん研究会のみならず弊社の根幹をなすものです。
さて、エモーショナル・マーケティングでとらえるヒト
つまり生活者、消費者とはどういった人間像なのでしょうか。
それは一言でいうと
論理や理屈だけでは動かない人間です。
マーケティングを突き詰めると
人間とは…?に行き着くと
日ごろから考えています。
マーケティング本だけでなく
心理学や脳科学等周辺科学がとても参考になります。
さらには文化人類学や哲学も。
私の好きな文化人類学者に
中沢新一氏がいらっしゃいます。
今『レンマ学』(講談社刊)を読んでいるのですが、
これまた人間とは?という問いに
響く箇所が多くあります。
中沢氏は西洋資本主義のベースになっている“ロゴス的知性“以外に
人間には“レンマ的知性“というものがあると
おっしゃいます。
ロゴス的知性とはことばであり科学であり
実証可能なもの。
レンマ的知性を表現するものとして
冒頭にキノコ類の粘菌の話が語られます。
ことばを持たない粘菌の生命現象と知性現象。
(知性という単語を不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません。細胞を行き渡らせる、非常に効率の良いネットワークを間違いなく見つけるのだそうです)
人間も
自分では気づかなくとも
粘菌のような知性を持っているということ。
実証主義では排除されがちな
人間の不可解な思いと行動。
ドラマや映画の中の出来事でなく
日々の商品サービスの選択にも決して無関係ではありません。
ともかくも
生活者はそうそう単純ではないのです。
だからこそ「インサイト研究会」を14年毎月休まず開催して
自分でも飽きず 笑
「インサイト・モデレーター講座」においても
<意見を聞いてはいけない>と言い続けています。
意見はまさにロゴス的知性。
意見と購買行動は一致しないから。